
YouTube広告とは?まず知っておきたい基本
YouTube広告は、動画プラットフォーム「YouTube」内に配信できる動画広告のことです。Google広告の管理画面から配信でき、ユーザーの興味関心に合わせたターゲティングが可能です。
引用:YouTube
今回の記事では、YouTube広告の出稿が初めての方に向けて、YouTube広告の出し方や種類、課金方式を解説します。
YouTube広告や他のSNS広告の効果、メリット・デメリットは下記の記事で解説しています。ぜひご覧ください。
YouTube広告の仕組みと特徴
YouTube広告は、複数の広告フォーマットがあります。代表的なフォーマットは以下の通りです。
- ・インストリーム広告:動画の前後または途中に流れる広告
- ・インフィード広告:関連動画や検索結果に表示される広告
- ・バンパー広告:6秒以内のスキップ不可短尺広告
総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代〜40代のYouTube利用率は90%以上です。これはLINEに次いで2番目に高い利用率のため、高い広告効果が期待できます。
どんなビジネスに向いているか?
YouTube広告は、動画を通じて商品の魅力やサービス内容を直感的に伝えられるため、以下のような業種や商品と相性が良い媒体です。
- ・ビジュアル訴求が重要な業種(住宅・リフォーム、旅行、美容、カーディーラーなど)
- ・地域密着型ビジネス
- 例:飲食店、美容室、不動産
- ・地域ターゲティングで近隣ユーザーに配信
- 商品の使い方が複雑な商品
実際に弊社がご支援を行った、「株式会社東海・ビルド様」では、YouTube広告を活用して物件の魅力をドローン撮影で見せることで、問い合わせ件数が増加しました。
株式会社東海・ビルド様:ドローンを使った撮影を行い、過去実績の動画制作を実施。明確なターゲット戦略のもとYouTube広告配信を行い、見学会予約・資料請求の問い合わせCV増加を実現。
YouTube広告の種類
YouTube広告は大きく5種類に分けられます。それぞれの広告の特徴を解説します。
YouTubeショート広告
YouTubeショート広告は、YouTubeショートの動画と動画の間に表示される広告で、スマホユーザー向けに最適化された縦型の広告です。ショート動画は視聴者の興味を引きやすいため、ブランド認知の拡大に効果的です。
引用:YouTube
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、YouTubeのトップページ最上部に掲載される広告です。大規模なリーチと強いインパクトで注目を集めやすいという特徴があります。
引用:Googleヘルプ
インストリーム広告
インストリーム広告は、動画の冒頭などに再生される広告です。最初の5秒でスキップできるため、視聴継続率を高めるクリエイティブが求められます。
引用:Googleヘルプ
インフィード広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
インフィード広告は、YouTubeの検索結果や関連動画に表示される広告です。ユーザーが興味を持ったタイミングでクリックし、動画を視聴します。
引用:YouTube
バンパー広告
バンパー広告は、6秒間・スキップ不可の短尺広告です。簡潔で強い印象を残す訴求を行うことで、認知から行動への橋渡しに効果的があります。
YouTube広告出稿時に準備するもの
YouTube広告を出稿するには、事前の準備が不可欠です。準備を行うことで、スムーズに広告配信が始められ、トラブルや無駄な手戻りを防ぐことができます。
Google広告のアカウント開設
YouTube広告を出稿するには、Google広告のアカウントが必須です。Google広告のアカウントを作成することでキャンペーンの作成、予算設定、効果測定まで一括して行えます。
- 【Google広告アカウントの設定手順】
- ①Googleアカウントを取得(既存アカウントがある場合、作成不要)
- ②Google広告(https://ads.google.com)へアクセス
- ③Google広告アカウントを作成
- ④決済情報(クレジットカード等)の登録
広告代理店などと連携する場合も、このアカウントを共有することになります。
YouTubeチャンネルの開設
YouTube広告では、配信する動画を自身のYouTubeチャンネルにアップロードする必要があります。そのため、企業用の公式チャンネルを作成する必要があります。
- 【YouTubeチャンネル作成手順】
- ①GoogleアカウントでYouTubeにログイン
- ②「チャンネルを作成」を選択し、チャンネル名やプロフィールなどを入力
- ③企業ロゴ、概要欄、リンク情報などを登録する
全体公開を行うと視聴者向けのコンテンツとして自然検索でも見られる可能性があるため、チャンネルを整えておく必要があります。
※広告用としてのみ動画を活用する場合は、限定公開がオススメです。
YouTube広告の出し方を5ステップで解説
YouTube広告の出稿は、事前準備さえ整っていれば、5つのステップで完了します。はじめての方でも手順通りに進めればスムーズに広告配信が可能です。
ステップ1:動画をYouTubeにアップする
YouTube広告では、公開済みの動画URLを指定することで広告配信が可能です。(限定公開でも可)そのためまずは広告として使用する動画を、自社のYouTubeチャンネルにアップロードします。
- ①YouTube Studio(https://studio.youtube.com/channel/)にアクセスし「動画をアップロード」を選択
- ②タイトル・説明文・サムネイルを設定(視聴意欲に影響)
- ③動画を「公開」または「限定公開」でアップロード
特に動画の最初の5秒が重要なため、冒頭に訴求ポイントを置く構成がおすすめです。
ステップ2:Google広告でキャンペーンを作成
続いて、Google広告の管理画面にログインし、YouTube動画のキャンペーンを新規作成します。ここでは広告の目的やキャンペーンタイプを設定します。
- ①「キャンペーン」→「新しいキャンペーンを作成」へ進む
- ②目的を「動画の視聴」「ウェブサイトのトラフィック」などから選択
- ③キャンペーンタイプは「動画」を選択
目的の選択によって後の設定画面が変わるため、事前に広告のゴールを明確にしておくことが重要です。
ステップ3:配信地域・言語などの設定
次に、広告をどの地域のユーザーに、どの言語で配信するかを設定します。配信対象を絞ることで、効率よくターゲットにリーチできます。
- ・地域:「都道府県」や「市区町村」単位、半径指定で設定(特定の地域を除外することも可能)
- ・広告フォーマット:スキップ可能なインストリーム広告、インフィード広告、YouTubeショート広告から選択
- ・デバイス:パソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面から選択
店舗型ビジネスや地方企業の場合、配信エリアを限定することで無駄なコストを抑えることができます。
ステップ4:広告グループと広告を設定
広告グループでは、ターゲティングと広告クリエイティブを紐づけて管理します。どのようなユーザーに、どの広告を届けるかを細かく調整します。
- ・広告グループ:年齢・性別・興味関心・検索履歴などを設定
- ・広告:動画URL・表示URL・CTA(行動喚起)の設定
複数の広告グループを作成し、クリエイティブやターゲットを分けて運用・比較することで、最適な組み合わせを見つけられます。
ステップ5:審査・配信開始
すべての設定が完了したら、Googleの広告ポリシーに基づいて審査が行われます。審査に通過すれば、設定した配信スケジュールに基づいて広告配信がスタートします。
- 【審査・配信のポイント】
- ・審査時間は通常24時間以内。状況により前後する
- ・ポリシー違反があると審査落ちの可能性あり
- ・配信中も変更・停止が自由に可能
広告配信後は、必ずデータを確認し、効果をチェックすることが重要です。適切な検証と改善が成果を左右します。
効果的なYouTube広告動画の作り方
YouTube広告では、どれだけ魅力的な動画を作れるかが、成果を大きく左右します。特にショート動画など尺の短い動画では、メッセージを簡潔かつ強く伝える設計が重要です。
冒頭5秒で印象づけるコツ
YouTube広告の多くは、5秒経過後にスキップ可能になる「インストリーム広告」です。そのため、視聴者が広告をスキップする前にインパクトを与えなければ、伝えたい内容が届きません。
- 【冒頭5秒で印象づけるコツ】
- ・冒頭でブランドロゴや商品を表示する
- ・「問いかけ」や「驚き」のあるセリフで興味を引く
- ・最初の3秒で「誰のための広告か」というターゲットを明確にする
たとえば「○○で悩んでいませんか?」という課題提起から始めたり、「20代の方必見!」のようにターゲットを入れることで、視聴者に自分ごととして受け取ってもらいやすくなります。
伝えたい内容を1つに絞る
動画広告で情報を詰め込みすぎると、何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。そのため、1本の動画で訴求する内容は1つに絞ることが重要です。
- 【動画の構成のポイント】
- ・「商品特徴」ではなく「ベネフィット」を中心に構成
- ・不要な装飾は省き、伝えたいメッセージだけを強調
- ・音声がオフでも伝わるように字幕やテロップを活用
たとえば「この商品を使うことで、生活がどう変わるのか」を簡潔に伝えると、視聴者の記憶に残りやすくなります。
検証を重ねて改善する
動画広告は作って終わりではありません。配信データを確認し、必要に応じて動画の構成や長さ、メッセージを改善することで成果につながります。
- 【YouTube広告改善のポイント】
- ・毎秒の離脱率を確認し、改善点を特定
- ・A/Bテストで複数のバリエーションを比較
- ・CTAの文言や配置位置も変更し効果検証
たとえば、同じ動画でも「冒頭でベネフィットを見せる」バージョンと、「後半で訴求する」バージョンを比較することで、最も反応の良い構成を見つけることができます。
YouTube広告の効果測定と改善方法
YouTube広告は「出稿して終わり」ではありません。広告効果を正しく測定し、数値に基づいた改善を行うことで無駄なコストを省き、成果を最大化できます。
CV・視聴率・離脱率の見方
広告の成果を判断するには、複数の指標を総合的に見ることが大切です。特に注視すべき基本指標は以下の通りです。
- ・CV(コンバージョン):広告経由で成果につながった件数
- ・視聴率:広告がどれくらいの割合で視聴されたか
- ・離脱率:どのタイミングで視聴者が離脱したか
たとえば、冒頭で大きく離脱が発生している場合は、最初の5秒に問題がある可能性が高いです。
Google広告のレポート活用方法
Google広告には、配信した動画のパフォーマンスを詳細に確認できるレポート機能があります。広告が成果に結びついているかを把握するために、定期的に確認しましょう。
- 【Google広告のレポート活用方法】
- ・「動画キャンペーン」タブから各指標をチェック
- ・「表示回数」「クリック数」「CV数」の推移を日別・週別で分析
- ・視聴者層(年齢・性別・デバイス別)ごとのデータを分析
レポートはCSV形式でダウンロード可能なため、外部ツールでのデータ分析や報告書の作成にも便利です。
YouTube広告の課金方式と費用
YouTube広告は、さまざまな課金方式によって費用が発生します。どの方式を選ぶかによって、費用対効果や配信戦略が変わるため、仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
課金方式(CPC・CPV・CPM)の違い
YouTube広告では、広告の表示や視聴、クリックなどの「ユーザーの反応」に応じて課金が行われます。主な課金方式は次の3つです。
- CPC(クリック課金):
- ユーザーが広告をクリックしたタイミングで課金
- 主にインフィード広告などで利用
- CPV(視聴課金):
- 30秒以上の視聴、または動画終了までの視聴で課金
- スキップ可能なインストリーム広告で活用
- CPM(表示課金):
- 1,000回表示あたりの料金が発生
- ブランド認知向けキャンペーンに最適
広告の目的やターゲットに合わせて、最適な課金方式を選ぶことで費用対効果の高い配信ができます。
費用対効果を上げるコツ
YouTube広告で費用対効果を高めるためには、「効果が見込める層に、適切なクリエイティブで、最適なタイミングに配信する」ことがカギになります。
- 【費用対効果を上げるコツ】
- ・訴求内容をターゲットに合わせて最適化
- ・ターゲットを絞り込むことで、無駄な表示を防止
- ・成果の出ている時間帯・地域に予算を集中
- ・広告クリエイティブのA/Bテストを繰り返す
たとえば、同じ予算でもターゲティングを変更するだけで、CV数が倍になるケースも少なくありません。データに基づいた運用が、コストを抑えつつ成果を最大化する鍵となります。
YouTube広告の審査と注意点
YouTube広告は、Googleの厳格なポリシーに基づき審査されます。広告出稿の前に審査基準を理解し、事前に対策を行うことで、審査落ちを防ぐことができます。
審査に落ちる原因と対策
広告審査に落ちる主な理由は、ポリシー違反や不備のある設定にあります。審査に落ちると配信ができず、修正対応にも時間がかかるため、事前のチェックが重要です。
- 【審査落ちの例】
- ・広告内で誇張・虚偽表現がある
- ・薬機法や景品表示法など国内法に抵触している
- ・動画とランディングページの内容が一致していない
対策としては、「強調しすぎない表現」「事実ベースの訴求」「視認性の高いCTA設置」などを意識することです。
禁止・制限コンテンツのチェック
YouTube広告では、掲載できない禁止コンテンツや、条件付きでしか掲載できない制限付きコンテンツが定められています。
- 禁止されている主なコンテンツ
- アルコール・タバコ・ギャンブル関連
- 武器・暴力・性的コンテンツなど
- 制限されている主なコンテンツ
- 医療・健康食品・金融商品などは審査が厳しい
- 年齢制限付きの広告や国別制限もある
Google公式の「Google広告のポリシー」を確認し、該当業種や表現が問題ないかを事前に確認しておきましょう。
入稿規定と技術基準の確認
動画広告には、画質・音量・解像度・字幕などの入稿規定や技術的条件が設けられています。これを守らないと、審査に通過しない場合があります。
- 【YouTube広告の入稿規定】
- 推奨解像度:1,920 × 1,080 px(横長)、1,080 × 1,920 px(縦向き)、1,080 × 1,080 px(正方形)
- 最大ファイルサイズ:256GB以下まで
- フォーマット:.MPG(MPEG-2 または MPEG-4)
また、CTA(行動喚起)やブランドロゴの位置なども、視認性を意識して配置することで、広告効果を高めると同時に審査通過率も向上します。
審査申請前の最終チェックリスト
審査申請前には下記のチェックリストを元に、入稿した動画やテキスト、LPが問題ないかを確認してください。
- □ 禁止コンテンツ(アルコール・タバコ・ギャンブルなど)の広告ではないか?
- □ 誇大表現・虚偽表現がないか?
- □ 薬機法・景品表示法に抵触していないか?
- □ ランディングページと広告の整合性が取れているか?
- □ 技術仕様(解像度、ファイルサイズ、フォーマット)は適切か?
- □ CTA・ブランドロゴは視認性が高いか?
よくある質問(FAQ)
YouTubeで広告を出す料金はいくらですか?
YouTube広告は、目的やターゲットによって料金が異なりますが、1日あたり数百円からでもスタートできます。以下が目安となります。
- CPV(視聴課金):1回の視聴あたり平均2〜15円程度
- CPC(クリック課金):1クリックあたり100〜200円程度
- CPM(表示課金):1,000回表示あたり200〜1,000円程度
費用は「配信エリア」「ターゲット」「広告の競合状況」によっても変動します。まずは少額からテスト配信を行い、効果を見ながら予算を増額するのがおすすめです。
YouTubeで広告を出すには?
YouTubeで広告を配信するには、以下の準備が必要です。
- ①Google広告アカウントの開設
- ②YouTubeチャンネルの開設と動画のアップロード
- ③Google広告でキャンペーンを作成し、ターゲット設定と広告内容を入力
設定はオンライン上ですべて完結し、難しい専門知識がなくても基本操作で配信が可能です。
YouTubeで広告がつく条件は?
「YouTubeで広告がつく」というのは、YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加して動画に広告収益が発生する状態を指す場合と、広告主が広告を表示する条件を指す場合があります。
- 動画制作者側(広告収益を得たい場合):
- チャンネル登録者数1,000人以上
- 過去12ヶ月の総再生時間4,000時間以上
- Google AdSenseアカウントの登録
- 広告主側(広告を表示したい場合):
- Google広告でキャンペーン作成し、審査に通過すれば広告が表示される
まとめ:YouTube広告は正しいステップで進めれば成果が出せる
YouTube広告は、ターゲットに応じた適切なフォーマット選びと、戦略的なクリエイティブ設計、そしてデータに基づいた運用改善によって、大きな成果を生む広告手法です。特に以下のポイントを押さえることで、初めての方でも安心して運用を始めることができます。
- ・広告の目的(認知・検討・コンバージョン)に合わせてフォーマットを選定
- ・Google広告とYouTubeチャンネルを開設し、動画設計を行う
- ・動画は冒頭5秒で印象づけ、シンプルなメッセージで訴求する
- ・CV率・視聴率・離脱率などをもとに定期的に改善を行う
- ・審査ポリシー・技術基準を事前に把握しておくことでスムーズな出稿が可能
今回の記事が、これからYouTube広告を始めたいと考えているWeb担当者の方や、YouTube広告を運用されているマーケティング担当者の方の参考になれば幸いです。最新のトレンドや成功実績に基づいた運用を依頼したい場合は、Googleパートナーに認定されているシーエムスタッフまでご相談ください。業種や商品・サービス問わず、各企業様に最適なご提案をさせていただきます。
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