X(旧Twitter)で経済状況をチェックし、Instagramで気になる飲食店を検索……SNSを用いた情報収集は、もはや人々の生活に欠かせません。このような背景から現在注目を集めているのが、SNSを利用して自社商品やサービス、ブランドを宣伝する「SNS広告」です。では、SNS広告はどのような仕組みで、どういったメリットがあるのでしょうか? 本稿では、SNS広告の仕組みやメリットの解説とともに、6大SNSといわれている、Facebook・Instagram・X(旧Twitter)・LINE・YouTube・TikTokを徹底比較します。
SNS広告の仕組みと期待できる効果
SNS広告にはどのような特徴と効果があるのでしょうか。順番に解説します。
そもそも「SNS広告」とは?
SNS広告とは、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSに配信する広告です。従来のテキスト・バナー型に加え、動画やカルーセル(左右にスライドするバナー)などを用いて訴求する、多様な広告形態をとれることが特徴です。
SNS広告で顧客を獲得するには?
SNS広告での顧客獲得には、従来メディアとは異なる視点が必要です。SNSには、広告がタイムラインに溶け込みやすい特徴があります。そのためユーザーからの忌避や嫌悪感が、従来メディアと比べて少ないことは大きなメリットです。
クリエィティブな要素を盛り込むことで、ユーザーに受け入れられ、「拡散」される場合すらあります。この特性を活かすことで、SNS広告の効果を高めることが可能です。
SNS広告で期待できる効果
Web検索のようなアクションを通じて広告が表示される「プル型広告」に対し、不特定多数に働きかける広告を「プッシュ型広告」と呼びます。SNS広告もプッシュ型広告の一種であり、前述のようにユーザーから受け入れられやすいことが特徴です。
そのため、SNS広告では、製品やサービスの訴求だけではなく、認知の拡大やブランドイメージの向上が期待できます。これが、SNSがいままでまったく自社の商品やサービスに興味のなかった潜在層への訴求効果が高いといわれる理由です。
主要6大SNS広告のそれぞれの特徴
6大SNSであるFacebook・Instagram・LINE・X(旧Twitter)・YouTube・TikTokには、それぞれ特徴があり、広告の仕組みや効果も異なります。
どのような特徴があるのかを比較しましょう。
6大SNS広告の特徴
6大SNS広告の特徴を表にまとめました。各SNSごとにユーザー層や強み・弱みが大きく異なります。自社の製品やサービスに適したSNSに広告を出すようにしましょう。
LINE | X(旧Twitter) | YouTube | TikTok | |||
アクティブユーザー数 | 2,600万人※1(2019年) | 3,300万人※2(2019年) | 9,400万人※3(2022年) | 4,500万※4(2017年) | 7,000万人※5(2022年) | 1,700万人※6(2021年) |
年齢層 | 30代以上の層で利用者が多い | 10代、20代中心 女性が多い | 10代~30代が主体 | 10代、20代が多い | 40代中心に幅広い世代 | 10代が圧倒的に多い |
拡散力 | 小さい | 小さい | 小さい | やや大きい | やや小さい | 大きい |
強み | ターゲティング精度が高い | 女性ユーザーが多い | ユーザー数が多く、アクティブ率が高い | 二次エンゲージメントに課金が発生しない | ユーザーに能動性があり、広告効果が高い | 圧倒的な拡散力 広告と投稿の差が少ない |
弱み | ユーザー数の少なさ | 画像中心で訴求力が低い | 個人が対象で拡散性が小さい | 情報が流動的 炎上が多い | 広告動画がスキップされやすい | ターゲット層が狭い |
広告配信方法 | 画像、動画、ストーリーズ、カルーセル、スライドショー | 画像、動画、ストーリーズ、カルーセル、コレクション | 画像、動画、カルーセル、トークリスト表示、Small Image | テキスト、画像、動画、カルーセル | 画像広告、動画広告 | 静止画広告、動画広告 |
ターゲティング精度 | 実名登録のため非常に高い | Facebookと連携管理のため高い | 緩めだが地域には強い | ユーザーの趣味や関心に強い | 幅広い層にリーチ マス層向け | 24才以下の若年層に特化 |
課金方式 | CPM、CPC、CPI、CPV | CPM、CPC、CPI、CPV | CPC、CPM | CPM、CPC、CPE | CPV、CPM、CPC | CPV、CPM、CPC |
費用相場 | 月5~20万円 | 月5~10万円 | 月10~30万円 | 月10万円以上 | 月10~30万円 | 月42~50万円 |
適した広告 | ビジネス向け商品やBtoB商材 | 化粧品や美容グッズなど | 飲食店や美容室など地域密着型 | 転職サイトや趣味、ライフスタイル系 | レジャー、美容、知育玩具など | 10代、20代向け商材 |
出所 ※1:https://japan.cnet.com/article/35139021/
※2:https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/
※3:https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/
※4:https://twitter.com/TwitterJP/status/923671036758958080
※5:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2022-1/
※6:https://markezine.jp/article/detail/37145
SNS広告における用語
SNS広告に関連して用いられる用語について説明します。
- カルーセル:画像が左右にスライドする形の広告形態。
- CPM:表示回数による課金、インプレッションとも呼ばれる。
- CPC:クリック1件あたりの課金指標。
- CPI:アプリインストールに対しての課金指標。
- CPV:動画再生数に対しての課金指標。
- CPE:エンゲージメント広告。SNSへの連携に対する課金指標。
課金指標に関する用語はよく似ているため、混同しないように注意しましょう。
SNS広告の費用対効果
広告の費用対効果にはさまざまな指標があります。SNS広告はFacebookのように一日単位で予算設定が可能なものもあり、反応をフィードバックしながら調整することが理想です。
扱う商材によって異なりますが、CPA(顧客獲得単価)とROAS(広告で得た売上)の指標のいずれかを設定して、効果を測りましょう。
まとめ
これまでにみてきたSNS広告の仕組みや特徴から、どのようにすれば、より効果的にSNS広告を運用できるのかをまとめます。
SNS広告の共通点
ある一定のターゲットに絞って広告をかけられることは、SNS広告の特徴です。FacebookやInstagramではその傾向がさらに強まります。マス層向けといわれるYouTube広告であっても、ユーザーの能動性が高いメディアであることから、対象を絞ることは可能です。従って、SNS広告では「ターゲット層を明確に意識した広告作成」が重要です。
個々のSNSの特徴を活かす
SNS広告では6大SNSそれぞれに特徴や強みがあります。強いターゲット精度を誇るFacebookやInstagramは、特定層に特化した商品や高級商材の広告を出すのにおすすめです。X(旧Twitter)は趣味やライフスタイル、LINEは地域特化など、リーチしやすいジャンルは各SNSごとに異なります。
SNSの特性を把握したうえで、広告を検討しましょう。
費用対効果を意識する
SNS広告は過渡期であることもあり、全体的に広告費用を安く抑えられる傾向があります。SNSの特性や特徴を理解したうえで広告することが成功の秘訣です。各SNSの特徴を理解して、ぜひ事業の拡大にお役立てください。
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