SNS広告の効果と特徴
近年SNSの利用率が高まっており、総務省の令和5年通信利用動向調査では、SNS利用者の割合は80.8%に達したとされています。
また電通の2023年 日本の広告費によると、SNS広告の2023年度の市場規模は9,735億円で、インターネット広告媒体の36.2%を占めるまでに成長しています。このような状況を踏まえると、企業が効果的なマーケティングを行う上で、SNS広告の活用が不可欠となっていると言えます。
SNS広告は自社のターゲットに合わせた効果的な配信を行うことで、売上アップや認知拡大につなげることができます。主にFacebook、Instagram、LINE、TikTok、YouTubeなどの媒体で、精度の高いターゲティングやビジュアルを活かした広告配信が可能です。
SNS広告の基本
SNS広告とは、各SNS媒体で配信されるWeb広告の総称です。SNSのユーザー属性や閲覧コンテンツ、プロフィールの情報に基づいてターゲティングを行うことで効果的な広告配信が可能です。
SNS広告って何がすごいの?
- ・ターゲティング:性別、年齢、エリア、興味・関心に基づいた広告配信が可能
- ・視覚的アプローチ:画像や動画、カルーセルを活用してユーザーに視覚的にアプローチ
- ・フォロワー増加:SNS広告を活用して多数のユーザーにリーチすることでフォロワー増加につながる
SNS広告は、媒体のユーザー属性に即した広告配信が可能です。たとえば、Instagram広告は女性ユーザーに特化した配信、TikTok広告では若年層に特化した配信を行えます。
SNS広告が効果的な理由とは?
SNS広告が効果的な理由は?
SNS広告が効果的な理由は、3つあります。
- ・ユーザーと自然に接触できる:SNS広告は通常の投稿と同様の形式で配信できることが多いため、広告を自然に見てもらいやすい
- ・拡散力が高い:広告を拡散できる媒体では、シェアやいいねを通じて二次拡散が期待できる
- ・ユーザーがアクションを起こしやすい:InstagramやTikTokは購買意欲の高いユーザーが多いため、購入や申込などアクションに繋がりやすい
さらに、SNS広告の配信結果から詳細なデータ分析を行って改善を繰り返せば、より最適な広告配信が可能です。たとえば、Instagram広告でターゲティング設定を調整したことで、クリック単価が26円から16円に低下した事例もあります。
主なSNS広告媒体と利用者層
SNS広告の主な媒体と特徴、利用者層は以下の通りです。
媒体 | 特徴 | 主な利用者層 |
---|---|---|
海外ユーザーの多さが強み。特に中高年層にリーチしやすい。 | 30代~50代、海外ユーザー | |
購買意欲の高い若年層や女性ユーザー向け。 | 10代~30代の女性が中心 | |
TikTok | 短尺動画とZ世代に特化したSNS。 | 10代~20代 |
LINE | 全世代にリーチ可能。全年代で毎日利用する人が7割。 | 全年齢 |
YouTube | 動画を活用して幅広いユーザーにリーチ可能。Google広告のターゲティングを活用できる。 | 全年齢 |
このように、SNS広告媒体ごとの特徴を理解することで、ターゲットに最適な配信計画を立てることができます。
SNS広告を最大限活用する方法
SNS広告を成功させるためには、効果的な媒体選び、継続的な効果測定、魅力的なクリエイティブ制作が欠かせません。それぞれのポイントを詳しく解説します。
媒体選びのポイント
SNS広告を始めたいけど、どのSNSを選べば良い?
SNS広告は媒体ごとに特徴が異なり、ターゲットや目的に応じて適切な媒体を選定することが重要です。
- ・若年層へのリーチしたい場合:TikTokやInstagramを活用
- ・幅広い世代にアプローチしたい場合:YouTubeやLINEが有効
- ・海外ユーザーやインバウンドのユーザーをターゲットにする場合:Facebookがオススメ
たとえば、弊社でアパレル業界のお客さまのInstagram広告を配信した事例では、イベントの訴求を行い、20万円の配信で38件の申し込みを獲得することができました。ターゲットに応じて媒体を選ぶことで、効率的に成果を出すことができます。
効果測定の重要性
SNS広告の運用では、定期的な効果測定を行い、PDCAサイクルを回すことが重要です。
効果測定で見るべき指標は?
- ・インプレッション数:広告の表示回数
- ・クリック単価:配信金額÷クリック数で求められる、1クリックあたりの単価
- ・クリック率(CTR):クリック数÷表示回数×100で求められる、広告への関心度合いを示す指標
- ・コンバージョン数:購入や申込など最終的な成果の数
- ・フリークエンシー:1人あたりの広告接触回数
実例として、Instagram広告でクリック率の低い画像クリエイティブを分析し、新規の訴求に変更して広告配信を行ったところ、クリック率が5.7倍向上しました(0.14%→0.8%)。このようにデータをもとに広告配信を改善することが重要です。
クリエイティブで差をつける
SNS広告では、ユーザーの目を引くクリエイティブを制作する必要があります。視覚に訴えることで、クリック率アップやコンバージョン率アップなど広告効果が向上します。
クリエイティブで重要なポイントは?
- ・鮮明な画像や動画を使用:商品やサービスの魅力を最大限に伝える
- ・共感を呼ぶメッセージ:ターゲットに響く訴求を行う
- ・ブランドカラーやロゴを活用:認知度向上に寄与
たとえば、弊社で学校のTikTok広告を運用した事例では、ターゲットである高校生に合わせた短尺動画を制作し、広告配信を行いました。その結果、昨年を大幅に上回る志願者数を達成することができました。
SNS広告のメリットとデメリット
SNS広告には、多くのメリットがある一方で、運用時に注意すべき点も存在します。高精度なターゲティングやコストパフォーマンスの高さは大きな魅力ですが、炎上リスクやターゲット年齢層への対応を適切に行うことが重要です。
高精度なターゲティング
SNS広告の最大の特徴は、詳細なターゲティングが可能な点です。性別、年齢、興味関心、エリアなどを設定することで、ピンポイントでターゲットにリーチできます。
どんなセグメントでターゲットを絞るの?
- 興味・関心:例)求人情報に興味がある人、不動産に関心がある人
- エリア:特定の都市や地域に住む人(LINE、Facebook、Instagram、YouTubeは半径指定も可能)
- 行動履歴:自社のWebサイトを訪問したことがある人、過去に自社の商品を購入した人
たとえば、弊社で運用した不動産会社のFacebook・Instagram広告の事例では、「35歳~45歳」「エリア:物件から半径20km」「興味:一戸建て」というターゲティング設定を行い、広告配信を行いました。結果は、40万円の広告予算で2件の申し込みを獲得し、そのうち1件は7,000万円の物件購入に繋げることができました。
SNS広告のコストパフォーマンス
SNS広告は少ない予算でも成果が出せる?
SNS広告の費用(クリック単価やコンバージョン単価)は媒体やターゲティング条件によって異なりますが、適切なターゲティングを行えば、費用対効果の高い配信が可能です。
- ・クリック単価が安い:LINEは比較的クリック単価を抑えて配信することができます。弊社の運用実績は1クリックあたり20円~40円程度です。
- ・目標設定が柔軟:リーチ数の最大化、クリック数の最大化、コンバージョン数の最大化など目的に応じた広告配信が可能です。
- ・フォロワーを増やせる:観光業のお客さまでInstagram広告を配信した事例では、1か月で380人のフォロワーを増やすことができました。
炎上リスクと対策
SNS広告は拡散力が高い一方で、炎上リスクがあるというデメリットも存在します。不適切な表現や誤解を招く内容が含まれると、ユーザーの反感を買い、企業のブランドイメージを損ねる可能性があります。
炎上を防ぐにはどうすれば良い?
炎上を防ぐためには、複数人で事前に広告をチェックしたり、不適切な表現や誤解を招く表現になっていないか確認を行うことが重要です。また炎上を防げても広告審査で認証されない表現や業種もあるため、広告配信時にはすべてのユーザーにとって適切な広告内容か?を確認することが必要です。
SNS広告で成果を出す方法
SNS広告で成果を上げるためには、適切なターゲット設定と定期的な効果測定・改善が必要です。それぞれのポイントを詳しく解説します。
ターゲット設定のコツ
ターゲット設定はSNS広告の成功可否に直結します。誰に、どんなメッセージを届けたいのかを明確にし、ペルソナに応じたターゲティングを設定することが重要です。
ターゲット設定ってどうやるの?
- ・性別・年齢の指定:商品やサービスの主な利用層に合わせる
- ・エリア設定:特定の地域や店舗周辺に絞る
- ・興味・関心:広告を見たターゲットの行動データを分析する
たとえば、地域密着型の飲食店では、店舗近隣の市区町村に絞ってLINE友だち追加広告の配信を行い、土日が満席になるなどLINEからの予約が増加した事例があります。
効果測定とPDCAサイクルの活用
広告運用の成果を上げるためには、効果測定を定期的に行い、改善を繰り返すことが重要です。これにより、広告の精度と効果を向上させ、購入数や申込数など最終的なコンバージョン数を増やすことができます。
どうやって改善すれば良い?
- ①各広告のクリック率やコンバージョン率を分析
- ②効果の高いターゲティングやクリエイティブを特定
- ③仮説を元にターゲティングの変更や新規クリエイティブの制作を行い、広告配信を継続
たとえば、ある教育サービスのInstagram広告では、ターゲティングを「高校生」と「保護者」に分けて配信した結果、保護者向け広告の方がコンバージョン率が高いことが判明しました。その後、保護者向けの広告配信に集中することで費用対効果を大幅に向上させました。
SNS広告の成功事例は?
最後に、弊社でSNS広告(Facebook・Instagram広告、YouTube広告)の運用に成功した事例をご紹介します。
Facebook・Instagram広告の成功事例
Facebook・Instagram広告は、ターゲティングの精度が高く、ユーザー層や目的に応じた広告配信が可能です。
- 旅行業:FacebookとInstagram広告で夏休み訴求を実施し、クリック単価14円でWebサイトへ14,286回送客。結果、20件のツアー予約獲得に成功
- カーディーラー:Instagram広告で新商品の告知を実施。60万円分の広告配信を行い、高単価商材11件の購入を達成
- 健康商品:Instagram広告でブランドカラー・商品カラーを活かした画像・動画クリエイティブを制作し、ECサイトからの購入数増加に貢献
これらの事例から、ターゲットに合わせた媒体選定やビジュアル重視のクリエイティブ制作が成功のカギであることがわかります。
YouTube広告の成功事例
YouTube広告は動画を活用した広範囲なリーチが可能です。Googleの詳細なターゲット設定を活用することで、より効果的な運用ができます。
- 名鉄NX運輸株式会社様:高校生向けの採用動画を制作し、ターゲットを高校生に絞って広告配信。累計30万回以上の再生回数を獲得し、応募者数の増加につながった。
- 建設業:会社紹介動画を制作し、YouTube広告で「エリア」と「年齢」を絞った広告配信を実施。再生回数56,000回を達成し、指名検索が増加。
YouTube広告では、ターゲットに合った動画を制作し、効果測定を基に改善を続けることが重要です。
LINE広告の成功事例
LINE広告は、利用しているユーザーの年齢層や性別が偏っていないため、幅広い層に対して広告配信が可能です。
- 豊田合成株式会社様:オリジナルのエコブランド「Re-S」の認知獲得、再購入や店舗でのアクションを増加のためのLINEを活用したプロモーションを展開。広告やオフラインでの訴求を通してLINEで約1,000人の友だちを獲得。
- 株式会社金トビ志賀様:LINE公式アカウント開設4ヶ月で2,000人以上の友だちを獲得。サイトリニューアルに合わせたWeb広告・SNS活用により見込み顧客の獲得・注文件数の増加につながる。
これらの事例から、ECサイトや実店舗でのLINE公式アカウント運用をサポートする「LINE友だち追加広告」の配信が効果的であると分かります。
まとめ:SNS広告を活用して成果を最大化しよう
SNS広告は、高精度なターゲティングや視覚的なクリエイティブを活用して、目的を達成できる強力なWebマーケティング手法です。FacebookやInstagram、LINE、TikTok、YouTubeなど、それぞれの媒体特性を理解し、目的やターゲットに合った運用を行うことで、効果的な広告配信が可能です。
SNS広告って結局何が大事?
- ・ターゲティング:性別、年齢、興味・関心など適切なターゲティングを設定
- ・クリエイティブ:ターゲットに商品・サービスの魅力が視覚的に伝わるクリエイティブ
- ・効果測定:データを基に広告運用を改善するPDCAサイクル
各媒体ごとに最適な戦略を取ることで、効果を最大化できます。
今回の記事が、これからSNS広告を始めたいと考えているWeb担当者・SNS担当者の方の参考になれば幸いです。最新のトレンドや成功実績に基づいた運用を依頼したい場合は、シーエムスタッフまでご相談ください。業種や商品・サービス問わず、各企業様に最適なご提案をさせていただきます。
Instagram広告・TikTok広告の詳細は、下記の記事でも解説しています。
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